Going my way

いいなと思ったことをメモしていきます。

PHPの入門本が素敵すぎて、それに比べて新人研修が役に立たない理由を考えずにはいられなかった。


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「いきなりはじめるPHP」という本を読んだ。




タイトルの通り、いきなり始めていきなり動かすことができる良書である。
この本の最大の魅力は、新人だろうとパソコンにほとんど触れたことがない中年おばさんだろうとほぼ全員例外なくプログラムを動かせることだ。

初めてプログラミングをする人には特にオススメしたい。
プログラミングを習得するには動かしてみるという経験が不可欠であり、本書は「プログラムが動く体験」を確実に提供してくれるからだ。


プログラムを学ぶ上での3つの壁

初心者がプログラミングを習得する過程には3つの壁がある

1つ目は、環境構築の壁である。
2つ目は、プログラムを動かすまでの壁。
3つ目は、美しく動かすまでの壁だ。

今、私がぶつかっているのは3つ目の壁だが、
初めの頃に一番苦労したのは、最初の一歩である環境構築の壁だった。

1つ目の壁は例えるならば、バスケ部に入る以前に親にバッシュを買ってもらえないか、リングがあるのにボールが無いというレベルの問題である。
そんなんじゃシュートが打てないではないか。
ボールがあって初めてシュートができるように、環境を構築して初めてプログラミングの練習ができる。

繰り返しになるが「いきなり はじめる PHP」のいいところは、第一の壁を容易に超える手助けをしてくれて、
プログラムを動かす体験ができるということである。

ブラウザでの表示、画面の切替え、DBの読み込み、書き込みまでひと通り経験できる。
深い説明はないが、わかりやすさを追求するために、あえて深入りを避けているようにも思える。

この本を一冊学ぶことは新人研修3日分の価値がある。
新人研修3日分は、価格にしてなんと15万円である。


新人研修について

私が所属している会社では、入社して2ヶ月半くらい、集中的に研修期間がある。
初めの一ヶ月は社会人としてのマナー研修である。
敬語の使い方、挨拶の仕方、名刺の渡し方からロジカルシンキングまで。
色々とやるが、基本的に内勤のエンジニアでビジネスマナーにうるさい人はあまりいないように思う。

偉い人が自席でクチャクチャ音を立てながら弁当を食っている姿を見るとげんなりするが、
それはビジネスマナーというか人間としてのマナーなので、そっちを大切にしたい。

次に始まるのは技術研修である。

C言語から、(現場で使わない)COBOL、ネットワークの講義まで一週間おきにIT全般の知識を身に付けていく。

研修で学んだことが現場で役に立った、という声はあまり聞いたことはない。
実際今までIT経験がない人が、研修を受けたからといってプログラムが書けるようになりました、なんて人は少ないように思う。

少なくとも(情けないことに)、私が研修でプログラムが書けるようになることはなかった。


新人研修が役に立たない理由

研修で配られるテキストには致命的な欠陥がある。
それは情報量が絶対的に少ないことだ。その情報の少なさには悪意すら感じられる。
「テキスト」としての役割を全く果たしていないのだ。
なぜかというと、パワーポイントをベースにしてテキストを作っているからだ。

箇条書きのテキストは、人間が何かを理解するのに適していない。
講義が前提にあるのかもしれないが、聞いたことを全てメモできるわけではないし、
メモすることは最初から"文章にして"テキストに書いておくべきなのである。
情報量が少なすぎて、リファレンスとしても使えない。
新人研修のテキストを研修が終わってから参照することは一度もなかった。

新人研修が役に立たないもう一つの理由は、動かすプログラムの絶対量が少ないことが問題だ。
ひたすら眠くなるテキストを読み上げるだけの講義を聞いて、そのあとやっと演習に入る。
そしてプログラムを完成させてみて、講師にチェックしてもらうのが研修の常だ。

講義が無駄なのだ。
講師が講義していることなんてググればわかるし、そもそもテキストを読み上げるくらいなら最初から書けばいい。
講師が語るべきは現場での体験であり、経験値であり、ググればわかることではない。
「なぜそうなるのか」を説明しない講義はそもそも論外である。

テキストを読み上げる眠い講義をするよりも、
テキストに全てを書いて、ググりながら課題を解決させて、講師が寝て待っていたほうがよっぽど効果的だ。
わからないところだけ聞かれたら教えればいいのである。

箇条書きのテキストを使って眠くなる講義をして、その研修にかかる費用はなんと

一日5万以上

である。

ちなみにこれは一人あたりの費用だ。
なんと一日の講義でオライリーの高い本でも10冊は買える計算である。

管理職も、部下を研修に行かせるくらいなら、一冊本を与えて、業務時間にそれをやる時間を与えればいいのだ。

上から変なタスクを振られない時間があるという点で研修は有用だが、知識を集中的に身につけるなら絶対に本を読んだほうがいい。

「この研修に行ったから技術が身に付きました」なんていうのもナンセンスだし、研修に行けば技術が身に付くと勘違いしている人は早々に考えを改めたほうがいい。

というか研修でPHP入門するくらいなら、「いきなりはじめるPHP」を読んだ方が絶対いい。